【確定申告の参考に】所得税の出し方がよくわからないので図で解説してみます

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この記事のポイント

  • 所得税の計算方法が図でわかる

所得税ってどうやって計算されてるの?

こんにちは、ハン辻たかし(@han2ji_takashi)です。

いや、昔はわかんなかったんですよねぇ。。所得税ってどうやって出されてるのか。
サラリーマンの人は毎年年末年始あたりに会社から渡される年末調整計算書や源泉徴収票を見て、「あぁ今年はこれだけの税金おさめたのか」って思う程度じゃないでしょうか?

それが正しいかどうかもわからず、とりあえず会社を信用して税金をおさめるしかなく。
(まぁそこをちょろまかす会社もそうそう無いとは思いますが。。。)

しかしどうでしょう、一度ここらで自分の税金を自分で計算してみるというのは。

ということで、今回は所得税の計算方法をできるだけわかりやすく解説します。

所得税を計算するための5つのステップ

所得税を計算するといっても、人によって千差万別です。
なのでここではごくごく一般的だと思われるケースを使って説明していきます。

  • サラリーマンの男性(会社勤めの人)
  • 収入(手取り額ではない、全ての収入。いわゆる額面収入)が 500 万円
  • 給料以外の収入は無い
  • 去年の末時点で、住宅ローンの残高が 1,000 万円

さてこの場合、所得税はいくらになるでしょうか?
ではいってみましょー!

Step1. 非課税収入の控除

まずはじめに、非課税収入を控除します。

非課税収入というのは、税金がかからない収入のことです。
例えば通勤費なんかは非課税収入に当たります。
そりゃそうですよね。会社からもらった通勤費にも税金がかかるなら、通勤費が高い人ほど(会社から離れて暮らしている人ほど)多く税金を払わないといけなくなり、不公平感がハンパないことになりますから。

で、通勤費が年間で 10 万円だった場合、こうなります。

Step1.非課税収入の控除

「控除」というのは普段なかなか使わない言葉ですが、要は「引き算する」ことです。

500 万円から通勤費の 10 万円が引かれて 490 万円になりました。

Step2. 給与所得控除額の控除

給料には、「まぁーこの額の分は税金の計算から外してやるよ」という額が決められています。
それを、給与所得控除額と言います。

給与所得控除額は以下のように定められています。

給与所得控除額(国税庁ホームページから引用)

Step1 で計算した額が 490 万円だったので、その場合は
3,600,000円超~6,600,000円以下
のゾーンに入ります。このゾーンの計算式は「収入金額 × 20% + 54 万円」ですので、これを使って計算してみると、

490 万円 × 20% + 54 万円
= 98 万円 + 54 万円
152 万円

ということになり、給与所得控除額は 152 万円であるということがわかります。

これを、収入から差し引いた(控除した)のが以下の図です。

Step2. 給与所得控除額の控除

Step1 で計算した 490 万円から、給与所得控除額を引いて、338 万円になりました。

Step3. 所得控除額の控除

さて、Step2 では「給料のある程度の額は税金の計算から外してやるよ」の計算でしたが、ありがたいことに「年金とか健康保険に払った分は税金の計算から外してやるよ」というものもあります。

それが、社会保険料控除と呼ばれるものです。

何が社会保険料控除に使えるかは細かーく決められているのですが、メジャーなもので言うと、1 年間で
(国民)健康保険、介護保険、雇用保険、年金
に支払った分が、社会保険料控除として適用できます。

さらに社会保険料控除とは別に、「一律 38 万円は税金の計算から外してやるよ」と決められています。
これを基礎控除と呼びます。

さらにさらに、特定の条件を満たせばさらに控除できるものがありますが、ややこしくなるためここでは考えないことにします。興味のある方は下記の記事をご覧ください。
(関連記事:【確定申告】いくらかお金が戻ってくるかも。知らなきゃ損する確定申告で節税できるケース)

さて、1 年間に支払った社会保険料の額が 60 万円だったとして、基礎控除の 38 万円と合わせた 98 万円を Step2 後の額から引き算します。

Step3. 所得控除額の控除

ここまで計算して出た 240 万円が「課税総所得金額」、つまり税金を計算するための金額として使われることになります。

Step4. 所得税額の計算

ここまで来て、ようやく税額の計算です。

所得税の計算には、超過累進税率というものが適用されます。
これは、所得が上がるにつれて税率も上がる(おさめる税金の額も大きくなる)というものです。

具体的には、下記の表を使って計算します。

所得税の速算表(国税庁ホームページより引用)

Step3 で出した額は 240 万円でした。

これは、上記の速算表では
195万円を超え330万円以下
のゾーンに入ることになるため、税率は 10% であることがわかります。

なので、
240 万円 × 10% = 24 万円
がおさめるべき税金の額、ということになりますが、上記の速算表の一番右端の列に “控除額” というものがあります。

これは、「税率をかけて出したものからさらにこれを引き算してね」という額なので、
24 万円からさらに 97,500 円(9.75 万円) を引きます。

24 万円 – 9.75 万円 = 14.25 万円

これがおさめるべき所得税の額ということになります。

Step4. 所得税額の計算

Step5. 税額控除

ここまでで所得税額の計算はできましたが、この税額そのものをカットできる方法があります。
それが税額控除です。

税額控除に使える有名なものとしては、住宅借入金等特別控除(いわゆる住宅ローン控除)です。
住宅ローン控除は、年末の住宅ローン残高 × 1 % が税額控除できる額として適用できます。

この計算に使っている男性の例では、去年末時点の住宅ローンの残高が 1,000 万円なので、その 1 % の10 万円 を税額控除できます。

Step5. 税額控除

ということで、最終的におさめるべき所得税は 4.25 万円(42,500 円)と計算できました。

まとめ

住宅ローンを組んでない場合は Step5 の計算が無いので、おさめるべき所得税は 14.25 万円(142,500 円)になりますね。
そう考えると住宅ローン控除って結構でかいですね。

ということで所得税がどうやって計算されているかわかってもらえたでしょうか?

計算に使ったのはあくまで一例なので、奥さんがいたり子どもがいたりするとまた額が変わってきます(配偶者控除、扶養控除)が、計算の流れとしては同じです。

確定申告の時にお役立ていただければ幸いです~


この記事を書いた人

大卒後、IT屋として14年。
得意言語は Java, C#。
新卒入社した会社で社会保険料を抜かれ続けていることも知らず、自分の無知さに呆れ2級FP技能士の資格を取得。
生き抜くためのお金と時間の使い方を発信していきます。
子育て中なので特に子育て世代に役立つ話題を中心に。
家計診断を始めとしたライフプランニング・ファイナンシャルプランニングのご相談いつでもどうぞ。
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