この記事のポイント
- iDeCo(個人型確定拠出年金)のことなんにも知らない人のためのざっくり解説記事です
- iDeCoを始めるとほぼ確実に毎年数千円~数万円トクする(税金がかえってくる)
- iDeCo で老後の資産が作れる
- とりあえずどんなに少額からでも iDeCo はやっておいたほうがいい
iDeCo(個人型確定拠出年金)って何?
イデコイデコってテレビCMやらネット広告やらでよく目にしますが、一体全体何なんでしょうか?
iDeCo は individual Defined Contribution (plan) の略で、個人型確定拠出年金のことを言います。
確定拠出年金(Defined Contribution plan)とは、毎月一定の金額を積み立てて(=拠出して)老後の資産を作り上げるための制度です。
働ける内にお金を積み立てて、老後安心して暮らせるようにしよー!ってことですね。
確定拠出年金には企業型のものもあり、それと区別するために頭に “individual”(個人)がついて、
「iDeCo(イデコ)」と呼ばれています。
つまり、iDeCo は個人による老後のためのお金づくりの手段のひとつです。
「積み立て」と言ってもお金をそのまま貯金のように積み立てていくわけではなく、たいていの場合は投資信託という金融商品を毎月一定額買って積み立てていくことになります。
(投資信託については別記事「【資産運用】リスクを抑えながら資産を増やしたいなら、長期で投資信託を買い続けることをおすすめします」をご覧ください。)
投資信託は金融商品ですので、将来の受取額が変動します。
将来受け取れる額はわからないけど毎月積み立てる(=拠出)額は決まっているので「確定拠出」と言うわけですね。
iDeCo を始めると何がお得なの?
じゃあ iDeCo を始めるとどんないいことがあるんでしょうか?
大きく 2 つのメリットがあります。
毎年税金がかえってくる
いわゆる「節税」というやつですね。
例えば iDeCo を始めて、毎月 1 万円を積み立てるとします。
毎月 1 万円ということは、年間で 12 万円を積み立てることになります。
この積み立てた 12 万円は、全額が所得控除の対象となります。
日本では、収入が多ければ多いほど払う税金も多くなる、超過累進税率という制度を採用しています。
(税金を計算するしくみについては【確定申告の参考に】所得税の出し方がよくわからないので図で解説してみますをどうぞ。)
iDeCo で積み立てた額全額が所得控除できるため、結果的に収入が少なくなる(少ないとみなされる)=払う税金が少なくなります。
年間 12 万円を iDeCo で積み立てた場合、ざっくりの節税の目安としては、
- 年収 300 万円の人 → 18,000 円の節税
- 年収 500 万円の人 → 24,000 円の節税
になります。
(※「年収」はもろもろ引かれる前の額です。いわゆる「手取り」ではないです。)
もちろん上記例は人によってケースバイケースです。住宅ローン控除を使ってる人の場合なんかはこれに当てはまらないかもしれませんが、ほとんどの人は上記の目安に近い額の節税ができるはずです。
これってすごくないですか?
特に大きなリスクを取らずに、年間数万円のお金が浮くことになります。
銀行に預けて得られる利子とは比になりません。
サラリーマンの人は年末の時期が近づくといわゆる年末調整を行い、年末年始あたりにたいてい「還付金」として 5 千円だか 1 万円だかがかえってくることが多いんじゃないでしょうか。
それです。それ。
サラリーマンの人の場合、iDeCo で節税した分は還付金扱いでかえってきます。
もう少し厳密に言うと、
- 所得税で節税できた分は還付金
- 住民税で節税できた分は翌年 6 月からの住民税の減額
としてかえってくることになります。なので、年末調整後の還付金では一瞬「あれ?戻ってくる額少なくない?」と思ってしまいますが、翌年 6 月の住民税を見ると、前年に比べて大きく減っているはずです。
運用して出た利益に税金がかからない
通常、株や投資信託などの金融商品で得た利益には約 20% の税金がかかります(特定口座の場合)。
例えば株で 1 万円儲けた場合、約 2,000 円は税金としてごっそり持っていかれるわけですね。
せっかく自分で儲けた分なのに。
まぁそんなこと言ってても始まらないのですが、冒頭でも言った通り、iDeCo は投資信託による運用が基本です。
そうすると、年金を受け取る時に積み立てたお金よりかなり利益が出ていることも十分に考えられます。
この利益に対しては、税金がかかりません。
儲けたら儲けた分、自分のものになります。これはデカイ。
iDeCo は誰でも始められるの?
誰でも始められますが、一定の条件と年間の積み立て上限額が決まっています。
これに関しては書籍「一番やさしい! 一番くわしい! 個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)活用入門」にかなりわかりやすくまとめられている図があるので、そちらを引用させてもらいます。
上の図の通り、自営業の人が一番積み立ての額を多く設定でき、年間81万6,000円です。
月々になおすと 68,000 円ですね。
サラリーマンの人は、勤めている会社にすでに(企業型)確定拠出年金の制度があるか、確定給付年金(DB、Defined Benefit plan)の制度があるか等の条件によって変わってきます。
積み立ての額が大きければ大きいほど、所得控除の額も大きくなるのでより多くの節税効果が見込めるのですが、この通り、年間の上限額が決まっているためいくらでもというわけにはいかなさそうです。
iDeCo にはどういうリスクがあるの?
iDeCo はぜひとも活用したい制度なのですが、以下の点に注意する必要があります。
60歳まで引き出せない
見出しの通り、積み立てたお金は原則60歳になるまで引き出せません。
厳密に言うと特定の条件を満たせば引き出すことはできるのですが、その条件を満たす人はほとんどいません。
なので、月々の積み立て額を多くしすぎたら普段の生活がかなり苦しくなった。。。
とか、まとまったお金がいるのに引き出せない。。。とかいったことにならないように、あくまでもムリの無い範囲で積み立てを行いましょう。
受け取れる額が少なくなる可能性がある
確定拠出年金の特徴は「積み立てる額が確定」しているのであって、「受け取れる額が確定」しているわけではありません。
(受け取れる額が確定している場合は「確定給付年金」と言います。)
なので、毎月積み立てて買った投資信託の運用次第では、積み立てた額を下回ることも考えられます。
ただ下の記事を見てもらえばわかる通り、投資信託は長期の資産運用に適した商品です。
また、60歳になったら即年金の受け取りを開始しないといけないわけでなく、70 歳になるまで寝かせておくこともできます。
60歳時点で積み立て額を下回っているようなら、もう少し景気がよくなり元本を上回るまで待ってから受け取る、ということができるので、このリスクについてはそれほど怖がらなくて良いでしょう。
どうしても積み立てた額を死守したいという人は投資信託ではなく定期預金タイプの商品もあるので、それで積み立てましょう。
ただその場合、いざ年金を受け取る年齢になった時にインフレになっていれば実質損することになってしまいますが。。。
それでも毎年の節税はできるので完全な損かというとそうでもなさそうですけどね。
まとめ
「老後のために」と思って取ってある貯金があるのなら、ぜひ iDeCo に回すべきです。
もっと詳しく知りたい方は下記の本をどうぞ。かなりわかりやすく iDeCo について解説されているのでオススメです。
とかくお金を増やそうと思うと「投資」に目が向きがちですが、iDeCo で節税しながら積み立てるほうがよっぽど固くお金を増やすことができます。
この記事では「どうやって iDeCo を始めるの?」については触れませんでしたが、手順としては
- ネットで銀行 or 証券会社に iDeCo の申し込み(資料請求)をする →
- 毎月購入する(積み立てる)商品を選ぶ →
- 毎月積み立てる額を決める →
- 申し込み
というごくごくシンプルな流れです。
とにもかくにもやってみないとなんともわからない部分もあると思うので、まずは申し込んでみてくださいな。
毎月の積み立て額は 5,000 円から始められるので、最初は小さくやってみて後々大きく活用していけばいいと思います~
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