この記事のポイント
- Chrome, Firefox のアドオン「Selenium」を使えばブラウザ操作を自動化できる
- 面倒なログイン操作やページ遷移もボタン1つで実行できる
Selenium って何?
こんにちは、ハン辻たかし(@han2ji_takashi)です。
今回はブラウザ自動化ツールの「Selenium」を紹介します。
Selenium は、Web ブラウザの定型操作を記録し、ボタン1つで記録した操作を再現してくれる便利なツールです。
元々は(というか今もですが) Web システムの開発におけるテスト補助ツール(システムのテストって何度も同じ操作を繰り返さないといけないことが多いので。。)という位置づけでした。
ですが最近は、RPA(Robotic Process Automation、ロボットによる作業の自動化)というキーワードが盛り上がってきていることもあり、どちらかというと「テスト補助ツール」というよりは「操作自動化ツール」というニュアンスに近づいてきているようです。
どんなことができるの?
では実際に Selenium を使ってブラウザの自動操作を行っている様子を見ていただきましょう。
例として、やりたいことが「郵便の配達状況を調べる」だったとします。
これを細かい操作に分けていくと、以下の操作が必要になります。
- Google のホームページを開く
- 検索窓に「日本郵便」と入力する
- 検索ボタンをクリックする
- 検索結果から、日本郵便のページをクリックする
- 追跡サービスのお問い合わせ番号欄にお問い合わせ番号を入力する
- 検索ボタンをクリックする
この操作を Selenium で自動化したものが以下の動画です。
初めに画面右下に表示されていたのが Selenium のウインドウです。
Selenium の再生ボタンを押すと、先ほど文字で書いた操作が一気に実行されたことがわかってもらえると思います。
Google ホームページを表示するところから郵便の配達状況ページが表示されるまでの間、もちろんマウス操作とキーボード操作は一切行っていません。
Selenium の使い方
Selenium をインストールするところから使えるようになるまでを説明していきます。
大きく4つのステップを踏みます。
1.Selenium をインストールする
前提として、Selenium を使う場合は Google Chrome か Firefox のどちらかのブラウザを使ってください。
IE(Edge) でもたぶんできなくはないと思うんですが、面倒なので割愛します。
以下は Chrome の場合を例にして説明します。
まず、Chrome 用の Selenium インストールページを開きます。
インストールページ右上に「Chrome に追加」というボタンがあるので、ボタンをクリックします。
あ、もちろん無料です。
すると、Chrome に Selenium アドオンがインストールされます。
Firefox の場合はこちらのページからインストールできます。
2.Selenium のウインドウを立ち上げ、初期設定を行う
インストールが完了すると、Chrome の URL 欄の右側に Selenium のアイコンが出てきます。
下の画像右上の赤まるで囲った部分です。
このアイコンをクリックすると、下のような Selenium ウインドウが立ち上がります。
続いて “Record a new test in a new project” というリンクをクリックしてみましょう。
「プロジェクト名を入れろ」と言われますが、別になんでもいいです。
何かしらいれたら OK ボタンをクリック。
次に「基本となる URL を入れろ」と言われます。
あとで自動操作を実行する時に、この画面で入力した URL から自動操作が開始されます。
先ほどの例では Google の検索画面からスタートだったので、Google ホームページの URL を入力します。
そして “START RECORDING” ボタンをクリック。
すると、Chrome の新しいウインドウと Selenium の操作記録用ウインドウが立ち上がります。
3.自動化したい操作を記録する
勝手に立ち上がった Chrome の新しいウインドウの右下には「Selenium IDE is recording…」と表示されています。
この状態で、自動化したい操作を実際にブラウザ上で行います。
すると、Selenium のウインドウには行った操作が自動で記録されていきます。
一通り自動化したい操作が終われば、Selenium ウインドウの右上に表示されている赤い停止ボタンをクリックします。
これで操作の記録が止まります。
このボタンを押さないままブラウザ上で操作を続けてしまうと、それらも全て記録されてしまうのでご注意ください。
停止ボタンを押すと以下のような画面が表示されます。
「テストの名前をつけろ」と言われているのですが、無くても大丈夫なのでとりあえず空白のまま “LATER” ボタンをクリックします。
もちろん何らかの名前をつけて “OK” ボタンクリックでも構いません。
4.記録した操作を実行する
さて、ここまでで全ての準備が整いました。
あとは実行するだけです。
Selenium ウインドウの上部やや左にある、再生ボタンをクリックしてください。
先ほど記録した操作が全て自動で実行されるかと思います。
まとめ
Excel の「マクロの記録」って知ってますか?ざっくりいうと、あれのブラウザ版みたいな感じですね。
記録した操作は拡張子 “side” というファイルに保存しておけるので、次回再度呼び出して使うこともできます。
今回は Google 検索を例にあげてみましたが、僕はほぼサイトへのログイン操作&よく見るページへの画面遷移に使ってます。
ログインって毎回毎回面倒なのでめちゃ便利です。
今回は記録した操作(コマンド)部分に関する細かい説明はしませんでしたが、奥が深いので興味のある方はググってみてください。
もし解説してほしいっていうお声をいただくようであればまた別の記事で書きます。
ということで Selenium、有効活用してみてくださいね!
コメント
Seleniumで作成した動作を、一定時間で再度行うことを繰り返す、ということは可能なのでしょうか。
コメントありがとうございます!
私自身、繰り返し操作を使ったことはないのですが実現できるようです。
詳しくは下記サイト様の記事が参考になりますので、ご覧いただければと思います。
https://qiita.com/hiroshitoda/items/0c4ee37404793557295e