【出産の落とし穴】子どもが産まれたのに奥さんの出産手当金がもらえなかった話を国保と健保の違いで解説します

お金

この記事のポイント

  • 自分が加入している健康保険によっては出産手当金がもらえない場合がある

幻の出産手当金

こんにちは、ハン辻たかし(@han2ji_takashi)です。

僕は2018年の10月下旬にパパになったのですが、奥さんはその約 1 ヶ月半前の 9 月初旬から産休に入りました。

奥さんは社会のしくみに弱いので(笑)、役所の手続きやら家計の管理やらは僕が全て受け持ってるのですが、いやーびっくりしました。

奥さんが出産手当金をもらえなかったんです。

僕はてっきりそれまで、産休・育休に入ったら

  • 出産手当金
  • 出産育児一時金
  • 育児休業給付金

この 3 つはセットで当たり前のようにもらえるものだと思いこんでいました。
ところがどっこい、その内の 1 つがもらえなかったんです。

出産手当金とは?

そもそも出産手当金とはなんぞや?というところから話します。

出産手当金とは、
「出産予定日以前 42 日~出産の日以後 56 日までの間にもらえる手当金」
です。

出産手当金が支払われる期間

もし出産した日が出産予定日より遅くなった場合、遅くなった日数分も上乗せして手当が支給されます。

出産日が出産予定日より遅くなったケース

出産手当金で支給される額は、以下の通り定義されています。

支給開始日以前の継続した 12 ヶ月間の標準報酬月額の平均値を 30 で割った額の 3 分の 2 相当額

わかりにくいですね。ざっくり言うと、
産休前 1 年間の給料(額面)の 1 ヶ月平均の 3 分の 2 を 30 で割った額
です。

例えば、産休前 1 年間は、ひと月平均 22.5 万円 のお給料(額面)をもらっていたとします。
22.5 万円の 3 分の 2 は 15 万円
それをさらに 30(ひと月の日数) で割ると 5,000 円。

つまり、この場合は 1 日あたり 5,000 円が支給されるので、仮に産休の日数が 98 日だった場合、
98 日× 5,000 円 = 49 万円 が総額で支給されることになります。

国民健康保険と健康保険の違い

さて本題に戻ります。

「奥さん休みに入るけど、何十万ももらえるし安泰やー!!」と思っていたんですが、そうはいきませんでした。

出産手当金は、加入している健康保険によって支給されない場合があるんです。

僕が当時(サラリーマン時代)加入していた健康保険は、東京都情報サービス産業健康保険組合というところでした。
一方奥さんが加入していたのは、大阪府整容国民健康保険組合という別の保険組合です。

これ、同じ「健康保険組合」と名前がついてますが、中身が違うんです。

健康保険保険者
健康保険全国健康保険協会(協会けんぽ)
健康保険組合(組合けんぽ)
★僕が加入していた健康保険
国民健康保険市町村および特別区
国民健康保険組合
★奥さんが加入していた健康保険

上の表の通り、健康保険は大きく「健康保険」と「国民健康保険」に分けられます。
(正確には共済組合や船員保険というものもありますが、ここでは省略します。)

そしてさらに、「健康保険」の保険者(=出産手当金を払ってくれる人)は協会けんぽ組合けんぽに、「国民健康保険」の保険者は市町村および特別区国民健康保険組合に分けられます。

いや、というかそもそも何このわかりにくすぎる名前。。。
「国民健康保険」の中に「健康保険」って入ってしまってるやん。
もうちょっと別の名前なかったんかい。

まぁそれは横に置いといたとして、問題はそれぞれの出産手当金の扱い方です。

健康保険  :出産手当金は絶対的必要給付
国民健康保険:出産手当金は任意給付

つまり、健康保険の場合は「絶対に出産手当金を支給しろ」と決められていますが、国民健康保険の場合は「出産手当金を払うかどうかはそれぞれで決めてね」というルールになっているのです。

で、国民健康保険を運営している保険者の大半は財政的に厳しい状態です。
なので支給しなくてもいい出産手当金は支給していないところがほとんどです。

まとめ

いやもうこの事実を知った時まじでびびりました

もらえると思っていたものがもらえないとわかった時のあの絶望感。
うちの奥さんはパート扱いなので月の給料こそそんなに多くはありませんが、それでも出産手当金がもらえてたとすればどんなに少なく見ても 35 万円以上はもらえていたはず

それが無いなんて。。。

ということで、出産を間近に控えている方、将来出産を考えている方、自分が加入している健康保険が「健康保険」なのか「国民健康保険」なのか、出産手当金が出るのか出ないのか、今のうちに確認しておいたほうが良いです。

出産前後は何かとお金がかかりますし、出産手当金がある前提で資金計画を立てているとそれが崩れてしまいかねないですしね。
あるいは、どうしても出産手当金を受け取りたい場合は強硬手段として、旦那さんの健康保険に入れてもらう(被扶養者になる)という手も取れるかもしれません。

はぁーーー
別にお金が減ったわけじゃないけど、(自分の健康保険は出産手当金が出ただけに)なんか損した気分やなぁー

この記事を書いた人

大卒後、IT屋として14年。
得意言語は Java, C#。
新卒入社した会社で社会保険料を抜かれ続けていることも知らず、自分の無知さに呆れ2級FP技能士の資格を取得。
生き抜くためのお金と時間の使い方を発信していきます。
子育て中なので特に子育て世代に役立つ話題を中心に。
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