この記事のポイント
- 会社員をやめても、2年間は会社員時代の健康保険に加入できる
- 続けて加入するには、会社をやめてから20日以内に申請する必要がある
- 国民健康保険よりも保険料が安くなる場合がある
健康保険、どうしよう?
こんにちは、ハン辻たかし(@han2ji_takashi)です。
僕は 2018 年いっぱいでまる 10 年勤めた会社を辞め、2019 年からフリーランスのエンジニア兼ファイナンシャルプランナーとして活動し始めました。
正確に言うと、2019 年 1 月いっぱいは有給休暇の消化月にしたので 2019 年の 2 月から完全なフリーランスとなったわけですが、会社を辞めたということは会社員時代に加入していた健康保険からは原則脱退しなくてはなりません。
会社員を辞めたあとに加入できる 3 つの健康保険
ただ、健康保険には任意継続被保険者という制度があります。
これは、一定の条件のもと会社員時代の健康保険に引き続き加入できるという制度です。
ただし、会社員時代は健康保険料の半分を事業者、つまり会社が負担してくれていましたが、任意継続被保険者になると全て自分が負担しなければなりません。単純に保険料が倍になるわけです。
もし任意継続被保険者にならなければ国民健康保険に入るのが一般的です。
あるいはもう 1 つ別の道として、文芸美術国民健康保険組合というところに入るという手もありました。
文芸美術国民健康保険組合(ぶんげいびじゅつこくみんけんこうほけんくみあい)とは、文芸・美術・映画・写真などの同種の業種に従事する者を組合員とする国民健康保険組合。
Wikipedia より引用
つまり、会社員を辞めフリーランスになった僕には以下の 3 つの選択肢が用意されていたわけです。
- 引き続き会社員時代の健康保険に加入する(任意継続)
- 市の国民健康保険に加入する
- 文芸美術国民健康保険組合に加入する
なんだか健康保険の種類がいっぱい出てきてよくわからないですが、健康保険の種類に関しては以下の記事で解説してるのでそちらも参考にしてみてください。
関連記事:【出産の落とし穴】子どもが産まれたのに奥さんの出産手当金がもらえなかった話を国保と健保の違いで解説します
任意継続にした2つの理由
結論から言うと、僕は任意継続被保険者になることを決めました。
要は、会社員時代の健康保険に引き続き加入することにしたのです。
理由は以下の通り。
1.保険料が国民健康保険と変わらない
先ほども書きましたが、任意継続被保険者になると会社員時代の倍の保険料を自分で払わないといけなくなります。
会社員時代に自分で払っていた保険料は約 14,000 円。ということは任意継続だと約 28,000 円を毎月払っていかなくてはなりません。
これだけ見ると「いやこんな額、絶対国民健康保険のほうが安いやろ。。。」と思ってたんですが、びっくりすることに国民健康保険はこの額とほぼ変わらないということがわかりました。
国民健康保険の保険料計算に使ったのはこちらのサイト。
国民健康保険計算機
http://www.kokuho-keisan.com/
これまで新卒からずーっと会社員で来てたので国民健康保険には入ったことありませんでしたが、こんなに高いんですね。。。驚きでした。
一方、文芸美術国民健康保険組合はどうかというと、1 人月額 19,600 円。
「お!これは安い!」と思いましたが、うちには 0 歳の息子くんがいます。
息子くんを扶養しないといけない、つまり被扶養者として保険に入れないといけないので、その場合は、、、と探してみると、家族 1 人につき 10,300 円上乗せ。
てことは 3 万円近くなります。高い。。。とにかく高い。
国民健康保険の痛いところは、人数が増えれば増えるだけ保険料が高くなる、というところです。
一方、健康保険(任意継続)の場合は人数が増えても扶養に入れれば保険料は変わりません。
もし僕が独身だったら国民健康保険の保険料はもっと安くなってたはずなので、保険料だけ考えると国民健康保険のほうが有利になってたと思います。
2.待遇が手厚い
保険料があまり変わらないとなると、あとは保険の内容(待遇)で比較するしかありません。
が、これに関しては比較するまでもなく任意継続の方が上回っていました。
具体的には、
- 保険の給付額の上乗せがある
- 健康保険組合が管理する保養所が使える
- 健康管理に対する補助がある
などです。
例えば、子どもが産まれた時には出産育児一時金 42 万円が支給されますが、僕が加入する健康保険はこれにさらに 10 万円上乗せして支給されます。
健康保険組合が管理する保養所が 1 泊 2 食付きで 5,000 円 ~ 8,000 円程度の激安価格で使えたり、健康診断やインフルエンザ予防接種に対する補助金も出ます。
一方、国民健康保険にはこのような待遇(給付や補助)はありません。
こうなると当然メリットが多い任意継続を選ぶしかありませんでした。
ただしこれは僕が加入していた健康保険の例ですので、任意継続を考えている方は念のため自分が加入している健康保険の内容をよく確認しておいてください。
たいていの健康保険は国民健康保険よりも手厚いはずですが、念のため。
任意継続被保険者の注意点
さて、任意継続は良い事だらけかというとそうではなく、以下の点に気をつける必要があります。
任意継続被保険者になるための条件がある
任意継続するためには「一定の条件がある」と書きましたが、その条件はこんな感じです。
- 会社を辞めるまでに継続して2ヶ月以上健康保険に加入していること
- 会社を辞めてから 20 日以内に任意継続の申請をすること
前者の条件はほとんどの人が大丈夫じゃないでしょうか。
入った会社を2ヶ月で辞めるツワモノはなかなかいないと思いますし。
どちらかというと後者のほうが注意しなければなりません。
会社を辞めてから 20 日を過ぎてしまうと、どんな理由であっても任意継続することができません。
申請手続きを先延ばしにしていたら期限を過ぎていた。。。なんてことにならないように注意しましょう。
2年経ったら強制的に脱退させられる
いつまでも任意継続できるわけではありません。
任意継続被保険者となってから 2 年を過ぎると強制的に資格を失うことになります。
2 年経ったらまたどの保険に入るか考えないとな。。。
出産手当金や傷病手当金は出ない
任意継続の場合、いわゆる出産手当金(産休に入った時にもらえるお金)や傷病手当金(ケガや病気で働けなくなった時にもらえるお金)は支給されません。
つまり、働けなくなった場合にはお金が一切もらえません。
まぁこれに関しては国民健康保険も出ないんですけどね。
子どもを扶養に入れられるかどうかはわからない
うちの場合は奥さんが働いていて(パート)、0 歳の息子くんがいるのですが、奥さんは奥さんで保険に入っています。つまり、奥さんは僕の扶養ではありませんでした。
この状態で息子くんを僕の(任意継続の)扶養に入れようとしたのですが、「原則、奥さんがお勤めになっている保険の扶養に入れてください」と言われました。
これは、僕がフリーランスになったことで安定的な収入が見込めないからというのが原因でした。
どうしても扶養に入れたけりゃ奥さんの源泉徴収票とお前の今年の収入見込み(奥さんの収入を上回る)を証明できる書類をよこせ、というのです。
奥さんはパートで年収 150 万円程度だったので、僕は今年前半だけでゆうにそれを上回る売り上げ見込みが立ってるんすけど、といったのですが聞き入れてもらえず。
書類をよこせの一点張り。
自分が逆の立場だったら確かに客観的な証拠が無いと信じられんよなぁ、と思いつつ、それを自分にされてるのでとりあえず腹立ちました。
とはいえそんなこと言ってても始まらないので、奥さんの源泉徴収票やら自分がフリーランスとして結んでいる業務委託契約書、請求書などをもろもろ送った結果、無事息子くんを扶養に入れることを認めてもらえました。
なので、自分だけの場合はほぼほぼ任意継続ができますが、扶養家族については認められるかどうかはわからないので、早めに確認しておきましょう。
まとめ
会社を辞めた時、この健康保険に入りなさい!と言えればいいのですが、こればっかりは人によって正解がまちまちです。
それは、その人の収入がどれくらいか、扶養する家族がいるのかなどの条件によって国民健康保険料、任意継続保険料が変わってくるからです。
国民健康保険の場合は役所へ、任意継続の場合は会社員に加入していた健康保険へ直接問い合わせると、保険料を教えてくれます。
なので自分の保険料がいくらなのかを知り、保険の内容をよく考えた上でどの保険に加入するかを決めましょう~
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